12月は寒さが一段と深まり、クリスマスや年末年始の準備で何かと慌ただしくなる季節ですね。寒さが厳しくなるこの時期、日本では古くから「体を温め、無病息災を願う」ための知恵が詰まった食の行事が大切に受け継がれてきました。
「冬至には何を食べるのが正解?」
「年越しそばに込められた本当の意味は?」
「12月に一番おいしい旬の食べ物を知りたい!」
そんな疑問に答えるような、12月にぜひ楽しんでいただきたい食の行事をご紹介します。
いつもの食卓に季節のエネルギーが詰まった食べ物を取り入れて、12月をより豊かに過ごしてみませんか?
① 12月上旬|冬野菜の力をいただく(大根・白菜など)

寒い季節にぐっと甘みと栄養が増すのが、大根、白菜、ほうれん草などの冬野菜です。これらは体を内側から温め、冬の免疫力を支えてくれる心強い味方です。
お鍋や煮物・スープなど、汁ごと摂れる調理法は、溶け出した栄養も余すことなく摂取できます。
おすすめの味わい方
- 大根と鶏肉のほっこり煮物
- 白菜と豚肉の旨味たっぷり鍋
- ほうれん草のシンプルな磯辺おひたし
② 12月8日|御事納め(おことじる)

1年の農作業や家事を締めくくり、日々お世話になった道具たちに感謝を捧げる日です。この日にいただくのが、伝統的な「お事汁(おことじる)」です。
行事食:お事汁
伝統的には里芋、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、小豆を使ったお味噌汁のことを言います。小豆の「赤色」には魔除けの力があるとされ、大地のパワーが詰まった根菜類で無病息災を祈ります。本格的な冬の到来に向けて、体を芯から温めてくれる先人の知恵が詰まった一杯です。
③ 12月13日|正月事始め
正月事始めは、神様を迎えるためのお正月の準備をスタートさせる日です。
この日を境に、お正月に欠かせないお餅や、お祝いの料理(祝い肴)の計画・買い出しを始めると良いとされています。かつては「すす払い(大掃除)」を終えた後、手伝ってくれた人々にお餅やごちそうを振る舞う習慣もありました。
この日をきっかけに、今年のおせち料理や仕込みのスケジュールを家族でワクワクしながら話し合ってみるのがおすすめです。
こんなことから始めてみましょう
- おせち料理に入れたいお気に入りの具材をリストアップする
- オンラインで買えるおせち料理を探してみる
- お正月の三が日に食べるメニューを家族と相談する
- 黒豆や栗きんとんなど、作ってみたいレシピを調べてみる
④ 12月中旬〜下旬|冬に脂がのる「旬の魚」を堪能する

冬は魚にたっぷりと脂がのり、年間を通しても特に魚介類が美味しくなる季節です。代表格である「ぶり」や「たら」は、この時期ならではの深い味わいを楽しめます。
ぶりは照り焼きやぶり大根でコクを楽しみ、たらはシンプルに鍋やホイル焼きにして、ふっくらとした身の甘さを堪能しましょう。
おすすめの冬魚メニュー
- 旨味が染み込んだ定番のぶり大根
- 甘辛いタレがご飯に合うぶりの照り焼き
- たらの旨味が溶け出す寄せ鍋
⑤ 12月21日前後|冬至(かぼちゃ・ゆず)

冬至は、1年の中で最も昼の時間が短くなる日です(日付は年によって数日前後します)。古くから「運気を上昇させる転換期」とも捉えられてきました。
冬至には、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする風習が有名ですね。特にかぼちゃは、夏に収穫したものを長期保存できる貴重な冬の栄養源として、先したちが風邪予防のために重宝してきた食材です。
冬至におすすめの養生メニュー
- 定番のかぼちゃのいとこ煮(小豆とかぼちゃの煮物)
- 体が温まるクリーミーなかぼちゃのスープ
- ほっこり甘いかぼちゃのそぼろあんかけ
⑥ 12月24日・25日|クリスマス
12月の一大イベントといえばクリスマス。日本では、チキンや華やかなケーキを家族で囲んで楽しむスタイルが定着していますね。
手の込んだ料理を何品も用意しなくても、いつものメニューの「盛り付け」を少し工夫したり、彩り豊かな野菜をプラスしたりするだけで、一気にクリスマスらしい特別な食卓を演出できます。
おすすめのクリスマスメニュー
- ジューシーなローストチキンや、子どもに人気の照り焼きチキン
- トマトやブロッコリーでクリスマスカラーを意識した彩りサラダ
- 定番のいちごのショートケーキ
- 市販のタルト型やクッキーを使って子どもと作る簡単デザート
\オンラインで注文できて、冷凍で届くから、食べたい時に解凍して食べられるケーキはこちらから/
無理のない範囲で、家族の好みや生活スタイルに合わせた美味しい時間を楽しんでみてくださいね。
⑥ 12月下旬|餅つき(鏡餅・つき立てのお餅)
お正月に各家庭を訪れる「年神様(としがみさま)」の依り代(居場所)となるのが鏡餅です。その鏡餅を作るための大切な行事が餅つきです。
お餅には古来より「稲の霊(稲魂)」が宿るとされ、いただくことで新しい年の強い生命力を分けてもらえると考えられてきました。
なお、29日は「二重苦(苦を待つ)」、31日は「一夜飾り(誠意に欠ける)」として忌み嫌われるため、12月28日or30日にお餅を突き、鏡餅を飾るのがベストなタイミングです。
おすすめの食べ方
- つき立てをシンプルに(あんこ・きなこ・大根おろしなど)
⑦ 12月30日ごろ〜|おせち料理の準備
年末がいよいよ押し迫ると、お正月を迎えるためのおせち料理の準備が始まります。おせち料理の食材には、それぞれ新しい年への願いや祈りが込められています。
- 黒豆:まめに(勤勉に)働き、健康に暮らせるように
- 数の子:たくさんの卵から、子孫繁栄を願って
- えび:腰が曲がるまで長く生きられるよう、長寿の願い
- 栗きんとん:その黄金色から、豊かさや金運を呼び込む
これらをすべて手作りする必要はありません。お好きな具材だけを少しずつ用意したり、市販の上質なものを上手に組み合わせたりしながら、無理のない範囲で我が家らしさをお重に詰めてみてくださいね。
⑧ 12月31日|大晦日・年越しそば

1年のフィナーレを飾る大晦日。日本人の心に深く根付いているのが「年越しそば」の風習です。
そばの細く長い形状から「細く長く、健康長寿でいられるように」という願いや、他の麺類に比べて切れやすい性質から「今年の苦労や厄災をさっぱりと断ち切る」という意味など、その由来には諸説あります。
一年の厄を払うものなので、除夜の鐘が鳴り終わるまで(新しい年を迎える前)に食べ切るのが伝統的なルールです。
そばを引き立てるおすすめの具材
- 縁起の良い「えび天」
- 風邪予防にも嬉しい「ねぎ」
- 日の出を象徴する「かまぼこ」
地域や家庭によって、温かいおそばにするか、冷たいおそばにするかも様々。ぜひご家族の好みに合わせた一杯で、1年を締めくくってください。
結び:12月の食の行事を心地よく楽しむために
12月は冬至のかぼちゃ、クリスマスの華やかなごちそう、伝統的なおせちの準備、そして年越しそばと、食を通して季節の移り変わりや日本の文化を体感できる絶好のチャンスです。
すべての行事を完璧にこなそうとする必要はありません。気になる行事をどれかひとつ選んで、旬の食材を食卓に取り入れたり、家族でその由来について少しお喋りをしたりするだけで、いつもの食卓がぐっと特別な空間に変わります。
今年の12月は、ぜひ「食」の力を借りて、心も体もあたたまる素敵な時間を過ごしてくださいね。
この記事を保存(ブックマーク)しておくと、12月の献立作りや年末の準備をスムーズに進めるヒントとしていつでも見返せます。


